Laundry Land

いよいよ就活生。

動輪の下

で待ち合わせ。
京都に行きました、いい街でした。
受験してきました、逃げ帰ってきました。
受験生の皆さん、お疲れ様です。


企画、構成で〇〇年!

なんて映画があるなかで

僕の受験生活はいったいどれほどのものだったのか。

企画、構成、制作:1年

大型グランプリのノミネートなし。



そもそも
この1年という時間がどれほどのものか。

企画、構成をしっかりして、受験生活に綺麗に沈み込めた奴は、そんな辛くもなかった、終わってみるとあっという間、とか言うけどさ

僕には長かった

自分がずっとイライラしていることを自覚してからはなるべく友達に会わないようにしてた。そんな1年。



もうどこでもいい、大学生になりたい。
いつからか目標がすり替わった。

人間は過去を無意識に美化するものだとしても、
「あの一年は死ぬほど勉強した、いや、むしろ死んでた」
なんて言えるかはわからない、
「凌いだ、死ぬかと思った」
が一番しっくりするかもしれない。


この1年の結果がこれからの人生に対するどれだけの投資になるのか、そんなこと考えると嫌になる。
まあ、なるようになる。
というか、なるようにしかならない。


1年あれば、ARTSCHOOLが活動休止を発表して、活動再開を発表できる。

1年あってもHUNTER×HUNTERは一話も進まない。
 
1年かけて僕は大学に入った。


その1年の重さなんて後付けでしかない。
ただ、企画、構成が大事ってことはよく分かった。
でも、長い時間をそれに費やしてもスベる映画がいくらでもあることは事実。


ただ、受験は失敗したらやばいけど、
いや、一回失敗してるからやばかったんだけど、
この先当分は何をどう失敗してもいいと思うと気が楽。


というわけで、浪人生活は終了。
第2クールはなしです。




密かに始めたつもりだったこのブログ、2月に150人くらい閲覧者がいて、誰が何を目当てに読んでいるのか分からなくも興奮していたけど。普通に知り合いに見られていたらしいね。
なんだよお前ら、受験お疲れ、遊ぼう!

一日天下

中央大学の法学部のセンター利用の結果が出てて、受かってたんだけど、まあ天下ってほどでもないんだけど。

父「お前これ法学部だけど政治学科じゃんか」
母「あんた法学部のキャンパス遠いけど通う気あるの?」

僕「あ。。。」

なんか押さえになってるのかなってないのかよく分からないからとりあえずノーカウント。



いや、でもあれだわ。スマホで合格発表確認すんのって怖いね。
「さすがにA判定出てたから大丈夫っしょー」
とか思っててもやっぱり緊張した。中央。


〜1年前〜 

都内映画館

僕「ギリギリだけどいい席取れて良かったな、平日だけど春休みだし。混んでなくて良かった。」
友「そうだね。」
僕「うん。」
友「あ、そういやさ、お前、今日東大の発表じゃなかった?」
僕「え。」
友「違った?」
僕「え、嘘。。。。。あ、本当だ、今日だ。」
友「番号は?」
僕「覚えてる。え、今見る?いや、まあ一抹の期待もないけども。」
友「見ようか」
僕「まじかー。えーーーーーーーーーーと、あ、、うん。落ちてますね、浪人決定。」
友「お疲れ様です」
僕「はい、お疲れ様で

ブーーーーーーーーー(暗転)

僕「まじか」


こんな感じのことがあった。
映画は面白かった。確か園子温だった。





この時に比べりゃ今年はそりゃもう頑張ったよね。そりゃ緊張もするわ。




「緊張するってことは一年それなりに頑張ってきたってこと…」

大宮在住の同級生ニートからもこんな応援の言葉頂いたし。
松本人志ツイッターの感じで。




K商ミスったという不安に押しつぶされそうで、いやもう押しつぶされてはいるんだけれど。
早慶大丈夫なのか本当に。
怖くなって中央にお金振り込んじゃったよ。
24万。
ごめん。

今年はたくさん映画館行きたいなあ







I make me feel so bad

誰かが何かで言っていた
誰だっけな

???「あのな、美人と結婚した知り合いから聞いたんやけどな、結婚した時その子がごっつい貯金を持って嫁いで来たんやって。どうしたんやこれ、言うたら自分で貯めたって言うねんて。これな、美人はな、自分でお金使わへんねんって。やれクリスマスだ、やれ誕生日だ、ってなるたびに男が高いレストラン連れてって、バックとかアクセサリーとか買ってくれるから、稼いだ分溜まんねんて。
ところがな、ブスはちゃうねん。ブスと結婚した奴が言っとったけどな、ブスは貯金ほぼなしで転がり込んでくるらしいで。あいつらは男が構ってくれないから、自分で自分のご褒美を買うねん。だからブスの方がお金使うから貯金もないねん。
さあ、皆さん!貯金のある美人と貯金のないブス!どっちと結婚したいですか!?あなたの、真実は!!」


磯野貴理子「ちょっとひどおい!私は貯金あるわよ!!」


思い出した、紳助だ。行列だ。




似たようなこと誰かがどこかで言ってたな
誰だっけな

???「あのさ、センターをしっかりとった奴はさ、第一志望の国立からぶれないで、今までやってきたことのブラッシュアップを最後の追い込み期間にするじゃん。国立の勉強時間を確保するために私大はそんな出願しないけど、過去問ちゃんとやるから、私大も第一志望もちゃんと受かるんだって。
だけどさ、センターでこけた奴はさ、国立の志望校を慌てて変えるからさ、全く対策してこなかった国立の勉強を始めてるんだけどやっぱり不安になって私大たくさん受けるんだと。そうすると私大の勉強もしなくちゃいけなくなるから、結局どこの対策も曖昧になって。。。」


僕「やめろ。やめてくれ。」


思い出した、俺だ。帰りの電車だ。









「浪人」とは・・・ただの言葉だ


間違えました、カースト最下層のプラカードを下げてる人たちですね。
今晩は、最下層の人間です。

吉岡一門、ではなく、早慶に一人で挑む僕のスケジュールはこちら。



12 W 文構
13 K 経済
14 K 商学
16 K 法
17 K SFC
20 W 政経
21 W 商学

国立までの作戦なんてものはありません。下手な鉄砲といえど腐っても鉄砲、どこかしら撃ち抜くでしょう、いや、弾切れが先かもしれない。


過去問のコピーで家とコンビニを往復してる間に気づいたら始まった僕の受験。
今の段階で2発撃ち込んでやったわけですが、私大は世界史の的が小さいね、全然当たらん。
試験が始まる直前は毎回パジェロのコールが聞こえるけど毎回たわし、いや、たわし以下。たわしでいいからど真ん中当てたい。


この連戦の二週間前は京都の直前講習に打ちのめされながらも、
「いや、俺はここで一踏ん張りして京都に絞った勉強を続けていこう、まだ芽はある」
なんて思っていたものです。が、今は毎日世界史を詰め込んでるわけです。それなのに問題が難しいわけです。嫌いな言葉は「センター利用」と「春節」です。関係ねえ話のくせに鬱陶しいんだようるせえよ。


一浪して私大ってどうなんだろう。
国立ならなんでもいいわけじゃないけど、一浪という対価の見返りがパッとしないのはどうなんだろう。
いや、分かってます。対価の大きさが見返りの大きさを決めるんでしょ。それには個人差があるんでしょ。
でもこっちはさ、2015年を謙虚に慎ましく生きたわけじゃんか、湖に斧を落とそうもんなら女神が出てくる前から「どっちでもないです!どっちでもないっす!!!」と連呼するくらいの心意気で毎日湖に斧を投げ込んでたんです。やっぱり金の斧が欲しいから。


受験生活ラストスパートに入ってる、というのは分かるけど試験が続くとどうも疲れてダメだ。大学入ったら。。みたいな妄想ももうしなくなった、そう、バイブス低め。バイブス低めです。


慶應エキシビション、こと小論文が楽しかったから真っ直ぐ家に帰れはしたけど。
ダメだ、疲れた。 

頼む。どっか受かれ。


ジャポン。
ブクブクブク。。。


キランッ。
ザバァァァーーーン。

女神「あなたが落とした「大丈夫だよ、一年やったんだからどっかしら引っかかるよ」とは・・・ただの言葉ですか?それともあなたの未来ですか?」

武蔵「ただの言葉だ」

僕「、、、願いだ。。」



地下室timesって知ってる?

ここ1年半、間違いなく毎日更新を確かめている音楽ブログがある。そのくらい更新が頻繁。

 
地下室timesだ
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不特定の書き手が好きなときに好きな音楽の話題を、自分の主観たっぷりに書くこのブログは、他の音楽ブログ(ナタリー、Skream..)より毒も薬も多めで、ただの情報ソースに一個乗っかった面白さがある。
中身は一つのバンドやミュージシャンを取り上げるのが普通だけど、音楽要素を噛んでいる話題なら割と何でもあり。
 
 
それぞれ好き勝手に書きながら、読者のことも気遣っている。
・中身は簡潔で文章量も少なめ
・動画の数も多くて三つ
・アーティストの半生を振り返る退屈なことはしない
・刺激的なタイトルの通り、ある一つの観点でアーティストについて喋る。など
 
こういう、主観が強いのに人に見られることを意識して作られた音楽ブログが成功している例は最近ないと思う。
 
 
 
 
 
地下室timesがこの先さらに人気になって、情報戦に重きを置くインディーズシーンにまで大きな影響を与えるであろう理由
つまり支持層が更に増えていくであろう理由をなんとなく言いたい。
 
それは、地下室timesが
 
売れ線だ握手会商法だを曖昧に批判なんかしない。
 
売れ線だ握手会商法だを曖昧に批判する世間を曖昧に批判なんかしない。
 
売れ線だ握手会商法だを曖昧に批判する世間を横目に、
あくまで音楽的視点で記事を書いているからだ。
 
 
 
アンチも、ちゃんと音楽に関連させた根拠をもとにしたアンチしかない。
「DISること自体が悪いとかいう風潮、意味わかんねえよ、音楽に依存することでしか人生の活路を見出せない俺たちはおとなしく音楽に篭ろうぜ」
みたいな雰囲気をバシバシに感じる
 
2ちゃんの見過ぎで頭が弱くなった僕たちは逆に批判要素の多いものの方が読みやすかったりするのだ。
 
そう、僕たちろくでなしだもの。いけてるやつなんてしんでしまえばいいんだ。
 
 
 
 
 
さて
 
そんな地下室timesに恐ろしいライターが一人いる。
更新頻度はこの男に支えられていると言ってもいい。つまりは、そう、地下室timesをどうしようもない音楽野郎の楽園にしてくれている張本人、石左さんである。
 
ここ最近の記事はほとんど彼が書いたものだからまず見てくれればわかる。
 
まだ若いのにここまで音楽に執着して、現実を毒々しい目で見れるのはなんでなんだろう。
それなのに音楽を文章で伝える能力がすごいのは何故なんだろう。
好きなように書き続けて、ブログPV数も上がってるはずなのに、アンチとSNSで争いをすることもない。
 
粛々とネット世界とか、世間と名のつく全てをバカにしているんだろう。酒を飲んだら面倒くせえ嫌味野郎のくせに見た目はシュッとしてんだよ、どうせ。何個か上の先輩にこんな人いたら怖くて近寄れないよ。全部俺の想像だけど。
 
 
 
 
 
 
詳しくは知らないが、地下室timesは石左さんと、谷澤ジョルジュさんという方が主体で運営しているらしい。
 
そしてこの二人が中心となって、去年の秋頃に入場料無料のライブを企画して成功させている。渋谷duoで。 
 
出演は
insane、最終少女ひかさ、THEラブ人間、pondlow、kidori kidori、Helsinki Lambda Club
 
こんないい対バンいつか俺も組みたいよ。
 
ネットで好きも嫌いも垂れ流し、フォロワーが増えたら金を募ってイベントを打って、大成功。
これこそ今っぽい音楽の輪の形なんだと思う。
いい音楽を現実のフォロワーに聞かせたいという心意気と行動力があるサイトなのだ、地下室timesは。
これからも面白い企画を実現して行ってください。
 
 
 
ただ一つ問題もある。
 
自分の周りに地下室timesを閲覧している人が出てきたらどうしよう。なんか恥ずかしいよね。
 
さらに言えば、チャラチャラしたイケてる奴らが石左の文章を好きだったら俺はどうしたらいいんだろうね、
サブカルがカルチャーに吸収されるってそういうことなのかしら。
 
ネットで、現実で、地下室times、そして石左さんのブランドはこれからどうなるんだろう。
 
 
 
 
 
 
※ 2018.1追記
 
だいぶ変わりましたね、石左タイムズ。
このブログを書いた当時の地下室タイムズと今の様子はだいぶ変わったみたいで、自分の文章なのに全然違うこと言ってね、って思いました。
この短期間で相当活動的になったんでしょうね。SNSもガンガンだし、バンドマンとも仲良くなっただろうし、叩かれることにも慣れただろうし、ストレスとアルコールで内臓ぶっ壊してるだろうし。
 
楽しいものを読ませてくれるならなんでもいいです。頑張れ石左。
(自分のこのブログ。一年以上放置してたんですけど、この地下室タイムズの記事だけは必ず1日に20pvはありました。どんだけみんな地下室タイムズ嫌いなんだよ。。)
 
最近の地下室タイムズは、アーティストのインタビュー・比較・シーン抑えとか、有象無象をひたすら紹介していた頃より俯瞰の目線というか、高い目線からの、マスに届く記事が増えてきたと思います。
このサイトの知名度は何倍にもなったし、批判も目立つようになった。とにかく、良くも悪くもたくさんの人に届くようになって、それに合わせて食いつかれやすいトピックの記事にちゃんと変わってきたと思います。
ディスっていくスタイルがいよいよエンターテイメント性すら孕んできたんじゃないですかね。(そしてそれが高確率でスベるから面白い。)
 
まあ、最近の音楽シーンって多分2年前からだいぶ変わって、今少しやりにくいんじゃないかと思います。
マイヘア全盛くらいの頃が地下室タイムズも生き生きできていたと思うんですよね。ファンがバカっぽい音楽ってイジりやすいじゃないですか。今は完全にWANIMA、ポルカドット〜イジり芸人やってますもんね。
だから、カクバリズム、サミットとか、上からイジれないものは面白くしづらいだろうし、今の流れだと地下室は書くものなくなっちゃうんじゃないだろうか、、、とか少し気になってた中の
CHAIがブス」ね笑
 
全然アリなんだけど、まあ、やっぱそこいくか、と。分かりやすくしようとした結果、一番逃げたな、って感じが僕は最高でした。記事自体はそんな面白くなかったんで、「まあ、書いとくかー」みたいな軽い義務感みたいなので書いたら結構適当になって、その割にかなり反応あったから、逆に申し訳ない。みたいな感じなんじゃないのかなあ、とか想像します。
 
インタビュー記事は面白いですよね。あのサイトが(石左氏が)どんなキャラなのかを知った上でアーティストが臨んできているから面白いインタビューになってて、きっとファンはうれしいんじゃないでしょうか。もっと増えていくといいんだけど、(でも受けてくれるバンド少ないかな、)とか思います。
僕はこれからも、石左氏がいつまでこのどうしようもないネットサイトを軸足に頑張るのかを楽しみたいと思います。
好きなバンドを悪く言われて腹立たしい、って人は普通にミキキとシンラを読めばいいし。単純にスベってね、と思う人は、ラブホの上野さんの質問コーナーでも読んでみたらいいと思いますよ。べつに地下室タイムズってただのブログですからね。それでは
 
 
 
 

ラヂオの時間

「勉強するよ!僕たくさん勉強するよ!」
ここまでドMをこじらせました僕がお世話になっているもの、そうです、TBSラジオ954です。たまむすびからJUNKまで。日本の穏やかな日常を感じさせてくれる954。

浪人生にラジオ。ここまでステレオタイプな受験生今の時代珍しいだろ。貴重価値高い。誰か俺を保護してくれ。そして温かいベッドで好きなだけ寝させてくれ。

深夜1〜3時の生放送は夏休み終わりくらいから聴けなくなって今はもうポッドキャストがメイン。ただ来年度から伊集院光の帯が始まったらもうやばいよね、一日中イヤホンつけて過ごすことになるかもしれない。

誰と喋らずとも誰かの会話を聴くだけで自分のコミュニケーションを達成したかのように錯覚するあの感じ、安心感をくれるから本当に受験生活の支えです。
が、一つ文句がある。今言わせてくれ、今じゃなきゃ発散できないことが一つある。







ラジオパーソナリティ「あっという間」ばかり言うのやめろ








例文「年末になってくると、師走と言うくらいだから世間も何かと忙しくてあっという間に一年の終わりを迎える。」

この、「あっという間」をパーソナリティどもは一年中言う。
確かにラジオの電波を使って好き勝手喋る芸能人に関わらず、毎日仕事、家事、学校など生活のルーティーンができてる人からすれば一週間なんてあっという間だってことはわかる。
なんならあっという間という言葉を使うことでその期間を肯定的に振り返れるフシもある。
そう考えると、




パーソナリティ「ついこの前までお正月だったのにもう1月も終わりだよ、あっという間だねー」
リスナー「確かにー」




自然だ。
だけど覚えていて欲しいんだ、パーソナリティ達よ。





受験生「待って!!!!!!!!!!!もうちょっと待って!!!!!過去問やる時間もうちょっと欲しいから!!!ほんと、待って!!!時よ!!!!止まれ!!!!!!!!!ダメか!!!!!!」






こういう存在がいるんだ。君たちのリスナーの中には。
「落ちる」「滑る」以上のNGワード「あっという間」




話変わるけど、最近10月過ごした記憶ある?去年なかったよね、10、11月あたり。だよね、そうだよね、あれ確か閏年ってそういうやつだっけ?みたいになりませんか最近





僕「一十一の能力欲しいなー、指鳴らして時間止められたら最高だなー、いくらでも勉強できるなー。あ、時間止めれんならカンニングし放題か。あ、じゃあ勉強しなくていいのか、最強かよ。じゃあもう漫画とかまとめ買いしちゃう?映画とか見に行っちゃう?あ、そっか、俺別に時間止めらんねえや。うっわ萎え。」

ここまでがワンセットです。




浪人生で忙しいとか頭沸いてる

浪人生なんて暇だ、暇に決まってる。こんなにストレートに自分が暇であることを告白する身分もない。

もちろん勉強はしてる。それは恐ろしいほどする。だから時間の話じゃない、思考の話だ。
金のないフリーターより親の金で浪人する俺たちの方がよっぽど暇だ。
 
考えてみてほしい。たいていの浪人生は、4月のある時期に「来年の2月の試験で合格するたった一つの目標のためにこの一年は捧げよう」と考える。それから春が来て夏が来て秋が来て冬、そしてようやく試験。
それまでの間、最初に決めた一つの目標は全く手を加えられていない。模試の判定などに悩み、最悪志望校を変更したところで、合格という漠然とした目標は変わることなく自分の貴重な1年の生活に理由と目的を与えている。
ということで手は打たれている。
 
 
ある先生が言った。合格を目指して勉強に励む受験生はある種祈りを捧げるような存在だ、と。祈りを捧げる受験生が集まるこの場所の神聖な空気が好きだ、と。この有り難いお言葉を聞いたセンター直前の受験生達の士気はメーターを振り切っていた。良いか悪いかはともかく。
なるほど、確かにこの駿台御茶ノ水校のこの教室は神聖なのかもしれない。俺にとっては狭くて暑くて隣が臭くて風邪でも移されちゃたまったもんじゃないと気が気でないこの教室はただの教室なんだけど。もしかしたらそれが神聖なのかもしれない。イエスが生まれたのもきったねえ馬小屋だし。
 
 
しかし、具体的な充足感や喪失感を1年後に後回しにして、ひたすら勉強をするという状況は、とても暇なことだとも思わないか?手間や負担は人それぞれでも、今の時代の浪人生で生活することがよっぽど大変な奴なんていないだろう。
 
自分がその時々に感じた喜びや悲しみ、衝動や後悔は全て今の自分を動かす一つの目的意識の下に排除される。受験生の抑制された生活を考えればわかる。日々、何をしようか選択肢を並べ、吟味し、決定する、という誰しもが行う生活を放棄しているのだ。スーパーへ行き、メニューを考えながら食材を選ぶのではなく、真っ先にカップヌードルの売り場へ走るようなものだ。
 
一度決めた目標を盲目的に追い続け、日々を選択する思考を捨てることで日常が色褪せる。
繰り返し言いたいのは、それがいいか悪いかではない。親の期待には答えたいし、いけるのならいい大学に行きたい。
ただ、その目的の純粋さ、正しさは、逆に死ぬほど退屈で暇な生活を生むんじゃないか。
 
 
そもそも、平均寿命80歳のこの国で、成人前の若者にやってくるこの受験というイベント、将来に対する責任度合いが重すぎないか?
 
そろそろ人間的な自立を迎えている頃合いにやってくる受験は、この先一生の地位、収入、家族構成などを決める一大ファクターだ。
まだ将来に夢を見るし、可愛い女の子が気になるし、世の中のことなんて関係ないと思っている俺たちの上に、将来の俺たちの生活がのしかかっている。
 
 
俺たちは一体いつから何に追われているんだ?