斯々然々(2/冬〜3/春)
NEWoManに初めて入った。
オードリーのannを聞いていたから、マスクで顔を隠しながらエスカレーターを上がったり下がったり。
もうヒートテックは暑い。マスクも。でも外せない。レディースフロアで春物トレンチを眺めながら、バイきんぐ西村が無人島で全裸になってテントを立てるエピソードを聞きながらニヤついてるのはまずい。
NEWoManと新宿駅の付け根のオフィスビルには若いスーツ達が群がっていた。さっきマネキンが着ていたベージュのトレンチを皆さん着てらっしゃる。まだマスクは外せない。
ベージュのトレンチ。全裸の西村瑞樹。
逃げるように外に歩き出すと、KANA-BOONの桜ソングが1位だとタワレコの液晶が映していた。
NEWoMan、閉店時は菊地成孔が手がけたBGMをフルで聴けるらしい。
熱海はもう梅が咲いていた。
せっかくグルメで日村さんが訪れていた飯屋は、プリン色の髪をした姉ちゃんが運んでくる料理が一通り美味くなかった。ただ地酒の試飲はなかなか。シザースかってくらいの爪が運んでくる点を除けばかなりイケる。
おいタケシ、お前がロケで行った店よりも、次の日に新宿で食べた炊き込みご飯の方が美味かったぞ。桜海老と筍の炊き込みご飯。もう三月だよ、早いねえ、ってか。もっと面白いラジオやってくれ。
平昌のスケートリンクでプーが舞った次の週あたりから、都内は花粉が舞い初めた。
天気よし、気温よし、花粉よし
ライツ、キャメラ、ハックション。
タバコをメンソールにするなどの対策はおススメです。一杯目モヒートなんかもいいんじゃないですかね。目薬の代わりにウォッカを目に垂らすなんか上級者テクもいかが?」なんて木原空次郎さんが言ってたような。
日比谷公園の噴水が春の空気に虹をかけているのを見ました。
THREEに行くついでに珉亭にも行こうかと思ったけど、カツカレーを食べながら岡村のラジオに石橋が出た回を聞いた。
もう終わる。季節の変わり目だから?平成ももう終わるから?このいけず。だらしないわね。
下北沢の端にあるライブハウスはお酒が美味しい。プラコップじゃなくてグラスで出してくれるレモンサワーもラムコークも元気が出る。
SaToAのレコ発だっけど藤井洋平が輝いていた。汗だくでインチキな発音でメンバー紹介する彼の顔、実はみやぞんに似ているのだ。
上品な服と髪型の小型の紳士が気持ち悪い踊りを最前で繰り出し、SODA!のキャップを被った女の子がメンソールを吸い、地味な男がシュプリーム×ヴィトンの財布をドリンクカウンターに投げ出す。発熱した箱の外はまだ涼しく乾いてる。
そんは豊かな街。から少し歩いた経堂という街で、友人が車に轢かれた。キックボードで通学するナイスなそいつをかっ飛ばしたその車には、地元の自動車教習所の名前がデカデカと貼られていたらしい。
同じ日に後輩の真っ白いコートにタバコを押し付けて焦がしてしまった馬鹿野郎も、轢かれたそいつも、獅子座。1位。めざましテレビの占いは当てにならない。
まだ風が冷たかった頃、裸の一万円握りしめて渋谷を走った。
その日は奈良県の高校生DJの物販という、諭吉をもらう代わりにフロアでタバコを吸い続けるバイトだった。
高校の友達の、今のツレの話を思い出した。仲間内でDJをやった時、滑らかに曲を繋ぐことを放棄したそいつは、
大きな声で叫ぶ。みんながびっくりしてる間に次の曲をかける。
という技を生み出した、という。
どうしようもなく面白いその素人技を、目の前で潰れかけているDE DE MOUSEが繰り出していた。ショットを畳み掛けられた可愛いおじさんはとても気持ち良さそうだった。その衝動で、金蔵まで走った。
イチかバチか、ハッタリかファンタジーか、東奔西走野郎、自暴自棄の舌先三寸。
誰にも引き上げちゃもらえない。その代わり目もつけられない。心ゆくまで惰眠をどうぞ、春眠は暁に限ります。
ただ引き上げ湯葉、あれは美味かった。