Laundry Land

いよいよ就活生。

それでもやっぱり向井秀徳。

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閉ざす/窓を開けてバスを揺らすよ
耳を通って脳に青が刺さる
沈む水の底へ 妄想になすすべなく
past time いつの間にか終点が始点になる
(きのこ帝国「Girl meets NUMBER GIRL」)

 
NUMBER GIRLは、青春を思い出させる何か、というよりも「青」そのものと、きのこ帝国の佐藤さんは言い切った。

自分もNUMBER GIRLを聴いていた。

高校生だったのはもう三年前。そのときの日常が青春だというのなら、それはやっぱり過ぎ去ったもので、この時はこうこうこうだったと思いだしたところで、美化された思い出に過ぎない。そのくせ、その記憶は今も脳に深く刺さったままで、今も自分はそれに動かされていると錯覚してしまうときがある。


「どんな音楽好きなの?」
音楽系サークルの新歓で必ず聞かれるこの質問。
試されているようにも感じてしまうこれに、NUMBER GIRL一本で答えて回った。

知らない、趣味渋いね、なんて言われることもありつつ、音楽の好みのある人間として受け入れてくれる人や団体とも出会えた。
そして、そのうちの一つROCK STEADY WASEDAというサークルに入り、4月6日。
初の個人企画『DEEP BEAT YELLOW』が無事終了した。

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※ 企画に興味のない方は飛ばしてください。

ーーーーーーーー(キリトリ)ーーーーーーーー


『DEEP BEAT YELLOW』

CRCK/LCKSに出てもらいたい。そこから始まった。
あのバンドに出会えたことが本当にデカかった。

去年の終わりに、彼らの出演が決まることで無事立ち上がったこの企画は、コンセプトとタイトルに本当に悩んだ。別にこだわらなくても問題ないことかもしれないとは思ったけど、逆に言えばここくらいしかこだわれることもない。

企画を打つからには、そのイベントのパッケージというか、どういうものか、なんで来てほしいのか。下北沢のライブハウスで、早稲田の学生団体がイベントを打つ意味、意義を、自分の中には答えが欲しかった。
少なくとも、音楽活動とは無縁の自分が、学生団体の企画を打つことに対するビハインドというか、後ろめたさがあった。音楽の現場に携わっていない外部の人間、ましてや学生が、それを本業にしている人たちの熱量を無視して、自分たちの思い出作りのようにチャラチャラと企画をする、そんなことはあってはならない。できないならやらなければいいだけの話で、やるからには、真摯にやりたい。それだけは絶対だと思った。

そんな折、下北沢THREE店長スガナミさんのブログを読んだ。下北沢の端の小さなライブハウスから革命を起こそうと本気で取り組む大人がいることに驚いた。自分のライブハウスでやるイベントにはすべて胸を張る。そのためのサポートには全力で当たり、THREEというブランドを築く。ライブハウスを運営しながら、である。
「意志を持つ箱に」と題されたその覚悟を知ったら、所詮学生で多少赤字がでたら自分が働けばいいだけの、なんの責任もない自分が、個人企画をする。そこで攻める姿勢を出さないで、BASEMENT BARはとても借りられないと思った。

結局コンセプトは、ずっと自分がライブハウスに感じていた明るいものを言葉にしただけだった。ステージに立つ人と、フロアで楽しむ人だけが主役のあの空間は、間違いない。

【企画コンセプト】
お客様が自由に振舞えるフロアの雰囲気を作り出すアーティスト様をお呼びし、表現を追求し演奏するアーティストのライブはジャンルの枠関係なしに見ていて面白いと感じてもらえる企画にしたいと考えております。
いつでも、いい音楽はずっとライブハウスで鳴っていると、遊びに来てくれる方と共有したいと思い、企画させて頂きました。

 


まあ、コンセプト決まって、よっしゃ、やるぞ、となったからって別にスムーズにいくわけではないのだけど。

初めに理想としていたイメージの中核になったであろうアーティスト達に出演NGを連発されても、そこは、拾う神ありというか、予想外に時間はかかったが無事アーティストが出そろった。
一組ずつ、勝手ながら紹介させてもらっている。

 

ray887.hateblo.jp

 
CRCK/LCKS
TAMTAM
MISTAKES
GiGiGiraffe
DJ:星原喜一郎

ありえないでしょう、これは。
サークルの名前があったからといって、これは。
とにかく嬉しかった。


そして、これは自分が最もこだわりたかった企画のパッケージという面で、超絶な効果を発揮してくれたのだが、この企画のチラシのデザイン。
かっこよくない?これ。

本当は、自分で作りたかったのだけど、そこまで手を広げる余裕もなく、友達に紹介してもらった青きさん(会ったこともない年下の女の子)に頼むことになったのが、まさか。

ジャンルの枠を超えた音楽、人、それぞれの見え方が一番魅力的に見える。
それだけのコンセプトから、黄色い壁に配置された窓から見えるそれぞれの景色を表現してくれました。恐るべし。
企画の顔として文句ない最高のデザインに仕上げて頂きました。ありがとうございます。
このチラシは評判もよく、要所要所でなぜか自分が褒めてもらえて、申し訳ない半分、とても嬉しかった。
迷いに迷った企画タイトルもこのデザインがあったから決められました。

『DEEP BEAT YELLOW』

意味はそんなにないですが笑
とっつきやすくて好きになったものが、実は超奥深かかったら、もう一生そのジャンルの虜になっちゃいますよね。


ブッキングが決まらないままインフルエンザになったこと。
解禁日(2/20 22:00)を新潟の免許合宿の寮で一人寂しく迎えたこと。
解禁時のチケット予約数が伸びなかったこと。

焦る期間も不安な期間もいろいろあったけど、苦にならなかったからよかった。自分自身がずっと当日を楽しみにしていたからだろうし、いいものになるという余裕というか、決まりが自分のなかにあったからだろうなあと思う。
企画中ずっと、BASEMENT BARのスタッフさんは本当に優しかったし、RSWのメンバーも自分が勝手に決めていくブッキングを認めてくれて、聴いてきてくれて、レスポンスもくれて。
ありがたい話が積み上がってきました。



当日は、


当日は、


いかがでしたか?
僕は、本当に楽しかったです。当たり前すぎる話ですが。

個人企画、団体企画となると、企画者の知り合いが多く集まるイメージというか、全体的に内輪の雰囲気が出るんじゃないかという不安も実は少しあったのですが、どうだったのでしょう。
一生懸命準備して、ようやく当日を迎えたこの企画を、フロアで知り合いとなれ合う時間にしたいはずもなく、自分は最前ど真ん中で陣取らせていただきましたが、(そのわがままというか、わきまえていない感じには目をつぶっていただきたいですが)スーパースターでしたね。集結してましたね。


開演中は、だから、来てくれた人にロクに挨拶も乾杯もできなかったのですが、「楽しかった」「あのバンドがよかった」「このバンドがかっこよかった」など、みんな楽しんでくれていたみたいで、いろいろ感想も見聞きしまして、エゴサーチもせず、お腹一杯のまま一週間経ちました。


今思い出しても夢のようです。
TAMTAM、暖かかった
GiGiGiraffe、尖ってた
MISTAKES、攻めてた
CRCK/LCKS、超楽しかった
星原さんが熱を逃さなかった。

あっという間でした。

なんとも濃い、黄色い夜でした。

改めて、
来てくれた皆様
出演してくださった皆様
下北沢BASEMENT BAR様
ありがとうございました。
積み上がりすぎましたかね。

『DEEP BEAT YELLOW』は大盛況の大成功だったと、宣言いたします。


あと、支えてくれたROCK STEADY WASEDAですが。
今年攻めます。これを機会に、注目していただけると幸いです。



ーーーーーーーー(キリトリ)ーーーーーーーー


さて、

「黄」色。
青から変わり、そろそろ止まらないといけない警告の色。
ただ、あの幸福のハンカチの色でもある。
好きな人たちに出演してもらい、好きな人たちが遊びに来てくれた、あの日のようなライブハウスが、毎日、どこかしらで、誰かを待っていると思うと、まだこの先も止められそうにないな、と思う。
青いだけじゃやってられないと体感したこの一年は、青春と呼べるものではないないけど、あの大切な黄色い夜ももう、過去のものになってしまった。
いざ振り返るとあっという間に感じて、

楽しかった。ありがたい。の気持ちしか出てこない。
また次ができればいいし、違うところを掘ってみてもいい。

次は?この先は?
3月ごろにそんなことを考えていたけど、一回やめた。余白は作っておきたかった。

だから、去年の12月に立ち上げた『DBY』の終了が、自分の2016年度の終了で、2017年度のことはこれからゆっくり考えよう。リセットじゃないけど、一回落ち着こう。

そう考えていた。

 

 

 

 


それが、まさか、そうならないとはなあ。。。
それでもやっぱり、終点が始点になる。

 



『DBY』が終わった二日後、僕は渋谷のO-EASTにいた。

あの人を見に行った。

メインステージど真ん中。満杯の箱の中、MATSURI STUDIOから来た彼は、真っ赤な照明を当てられ、MATSURI SESSIONを捻り上げていた。


強烈だった。
一昨日に出きった状態のはずの自分から、まだ引っ張り出すのか。。

 

強烈だった。
何かが刺さった気がした。
今度は何色なのか、いつか抜けるのか、分からない。

ただ、

「赤」い季節が、そう経たないうちに到来するんじゃないか、そんな予感がした。

 

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