Laundry Land

いよいよ就活生。

最近こんな感じ(4/22~4/28)

4/22
スーツが邪魔くさい。面接でかいた嫌な汗もすぐには乾かず嫌な感触が残る。スーツのままライブハウスに入るのは初めてだっけど居心地も着心地も悪い。それでも楽しかった。
OBとなったサークルの企画は渋谷Milky wayが会場で、7月7日にオープンして今年で9年目。ヒグチアイ、日食なつこ、竹原ピストルの対バンとか、コレサワ、惑星アブノーマルなんかを見た箱に行くのは5年以上ぶりだった。企画を打つセンスなんてものがあるとすれば、街・箱・ブッキング・企画名・ビジュアル、いろいろな要素があると思うけど、その全部がいい感じだったし、その場の空気が良かったし、それだけでいい企画だった。gato・ravenknee・MONJU N CHIEの三組を見たけどgatoが最高だった。

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4/23
朝から渋谷。最悪の響き。朝から渋谷。朝まで渋谷とどっこい。ヒカリエの向かいのビルが出来上がりつつあるし、渋谷ストリーミングを立てた意味を誰か教えて欲しい。面接からの帰り、刀剣乱舞のチケットがさっぱり取れないという子と歩いた。チケットが取れないのに、刀剣乱舞と口にするだけで笑顔になるその子を見て少し落ち込んだ。そのまま松岡茉優モー娘。について話すラジオを聴きながら地下鉄に乗ったけど、モー娘。に対する"好き"をパッケージ化した話は、さっきの刀剣乱舞ッ娘。ほど楽しそうじゃなかった。新橋の端のドトールは、元は絶対純喫茶だった。内装も雰囲気も店員もいい感じなのに、やはり珈琲はドトール

西川美和『その日東京駅五時二十五分発』を読む。東日本大震災が起きたときは広島の実家にいたというコラムを以前読んでいたけど、そのときはこの本を執筆していたことが分かった。戦争について書いているときに震災が起きるというのはどんな気持ちだろう。今週はジェーン・スーが広島原爆博物館に行った話もあって、モヤモヤしたまま会議室に通された。バルーンで飾り付けられた部屋が気持ち悪かった。一度全ての価値観がリセットされるというのは就職活動中に感じる僅かな欲でもあるけど、日がたって酸っぱくなった飯を食うしかない時間なんて想像できない。家に帰ってから『気分はもう戦争』を引っ張りだした。戦争なんて事実じゃなくて、戦争という気分を面白がる気持ちになって少し落ち着く。異文化報連相バミューダトライアングル

その日東京駅五時二十五分発 (新潮文庫)

その日東京駅五時二十五分発 (新潮文庫)

 
気分はもう戦争 (アクション・コミックス)

気分はもう戦争 (アクション・コミックス)

 

『恋のツキ』新田章の『あそびあい』を読む。
ゴールデンラジオの中田敦彦ゲスト回は介護。箕輪厚介ゲスト回は保険営業。ダメだこの番組。

 

4/24
『たまむすび』ついに大吉さんの週に回ってきた。瀧さん逮捕以降、歯車がずれたままの番組をプライベートでも話し合っているのだと予想はできた。でも、番組を降りようと考えていたと赤江さんの口から語られるとやっぱり苦しい。
『アフター6ジャンクション』先週から"宇垣美里覚醒"の狼煙が駅のホームでも散見される。だけど、ananの美脚美尻特集をもてはやす宇多丸と、まんざらでもない宇垣“総裁”。このノリがずいぶん前からキツい。というかイタい。このノリで喜んでいるのはどの年齢層のどのタイプだ。日比麻音子アナの水曜日がオアシス的な存在になっている。

テアトル新宿で『愛がなんだ』を見る。今泉力也監督『サッドティー』が好きだったから楽しみにしていた。公開日のせいか、午前中の会がほぼ満席。帰り際には他の買いも全て満席になっていた。嫌いじゃないけど、最近こういうのばっか見てるせいでむせる。

今週のテレビは楽しい。

・『くりぃむなんちゃら』「リアルキャスティングクイズ」キッザニアにテレビ局のコーナーがあればこのクイズをやらせればいい。それか、スター名鑑で。回答者が吉村と菊地亜美であるというメタ感。バラエティ最果ての企画。
・『テレビ千鳥』「会議室で一本作ってください」バナナマンだったらホワイトボードでランキング作ってすぐ出ていくだろうけど、千鳥はギャグを作るところがロケ・漫才師。振りかぶった割にはちゃんとしっかりハズレ回だった気がする。
・『ボクらの時代』「渡辺大知×松岡茉優×伊藤沙莉渡辺大知が書いた『勝手に震えてろ』主題歌の歌詞中に松岡茉優の好きな曲のタイトルを入れるサプライズをしたという“バンドマン”エピソードにこっちもキャーキャーした。
・『ロンハー』「東京で苦しむ芸人 濱家&津田」濱家があんな扱われ方をされるくらいヤバいとは気づかなかった。一度も負け顔を見せないまま活躍することは無理なのか。カズレーザーの“積み宣言”を聞いて少し絶望する。「帰ろか、千鳥」の力も再確認。“THE平成のバラエティ美術”であるロンハーセットの端っこに四千頭身・後藤と宮下草薙・草薙がちょこんと座ってるのがなんかよくて、おじさんの同窓会なんかでウキウキしないままでいて欲しい。二週にわたってザキヤマの使い方が江頭みたいだ。
・『向上委員会』いつもここからの暴走と、先週に続く鬼越トマホークの活躍。『ざっくりハイタッチ』最終兵器、鬼越トマホークが頑張っている。ピーマンズスタンダードは消えた。

 

4/25
爆笑問題の日本言論2』を読む。不敬・不謹慎・すり替え・ダジャレ・言葉遊び、ボケの方法が豊富すぎるのに対してツッコミフレーズが少ないのが面白い。プレイボーイの連載はすごく退屈だと改めて思う。

爆笑問題の日本原論2 (幻冬舎文庫)

爆笑問題の日本原論2 (幻冬舎文庫)

 

 

4/26
ルパン三世 次元大介の墓標』見る。モンキーパンチの訃報きっかけで、個人的なルパンブームが到来しそうな予感。次元だけがオリジナルキャストのままで、この声以外に次元は考えられない。粋というよりはロマンだから、泥臭さこそないけど理想像みたいな。そういうのは、良くも悪くもいくらでも見れる。

ルパン「なあ、一つだけ聞いていいか。なんでクイーンマルタのカラマティファイルをマスコミに送ったりした?」
次元「・・俺はただ、うまいタバコが吸いたいだけさ」
ルパン「そりゃ、気が合うねえ」
俺「合うわあ」

アメトーーク!』プレゼン大会に岡野陽一、Aマッソ、金属バットが揃うなんて!と興奮していたけど、Aマッソのいいところが一つもなかった。岡野さんの借金も、金属バットの三浦マイルドネタも、テレビでウケる感じじゃないとベテラン勢が感じている様子を視聴者も感じるんだからな!マセキのおもちゃがありゃいいんだろお前らは、、、と悲しくなった。

 

4/27
『セックスエデュケーション』五話が神回という佐久間さんのラジオきっかけで3話まで見ていたところから一気見。確かに五話は神回だけど全編最高。7話の父と息子の会話はたまらない。

I wanted you to be strong. But you are... so different. It makes me feel scared for you.
Your fear doesn’t help me, Dad. It makes me feel weak.
But why… do you have to be so much?
This is me.
I don’t want you to be hurt.
Look, I’ll be hurt either the way. Isn’t be better to be who I am?
(horn blares)
I told you to wait!! …I just shout at that man…
Yeah, you did.
Maybe, I am learning from my brave son.

ゲイの学生を虐める奴に通りすがりの同級生が
「やめろ、ゲイをいじめるのは時代遅れだ。別に俺はこいつを好きじゃないけど」
と声をかけるところもハッとする。好き嫌いの判断材料に相手の性的指向を反映すること自体がナンセンスだと分かっているアメリカ高校生と、出会ったことのない性的指向の多様性を受け入れるのに必死な自分との差は大きい。どれくらい時間がかかるんだろう。“trouble in paradise?”(“何かあった?”)という言葉、シャレてる。

ダウンタウンDX「今見るべき若手芸人SP」が良かった。
(出演:銀シャリチョコプラ・尼神・おかずクラブ・カミナリ・霜降り・ミキ・ガンバレルーヤ・EXIT・きつね)何が起こるか分からない感が少し強めで、こっちの方が面白い。カミナリはまだ売れそう。

 

4/28
ルパン三世 峰不二子という女』大人ルパンへの回帰を目指したスピンオフテレビシリーズは、とにかく峰不二子の可愛さと音楽が最高(そのせいでNIKIIEのED曲が悪目立ちしているけど)。大人のルパンというより女のルパンの楽曲は菊池成孔しかいなかったんだろう。ペペの「嵐が丘」に橋本一子さんの語りを乗っけたOPテーマ「新・嵐が丘」は今までのアニメOPを逸脱している。そのまま12年の粋な夜電波「峰不二子という女OST特集」を聞いた。ルパンファンからのメールがしびれる。(やはりEDが気に食わないとUA×菊池成孔「嘆息的泡」で自作のEDを作ったらオスカーに止められたらしい。見たかった)この回がものんくる吉田さん初登場回。コントの「うrrrせえ、ばか」が可愛い。

LUPIN the Third 峰不二子という女 オリジナルサウンドトラック

LUPIN the Third 峰不二子という女 オリジナルサウンドトラック

 

 『オードリーのANN』は初めてに近いドキュメント回で、若林がラジオで築いてきたスタンスの集大成だった。「お前ら夫婦像が昭和なんだよ!」は平成最後の放送の締めに相応しいキラーフレーズだったと思う。春日の言葉に普段より感情が乗っかっている感じは気持ち悪い。

ハナコ菊田の結婚報告ツイートを見る。菊田が何を発表しても面白いし、おめでたいけど「そういうとこだぞ」と思った。逆に、これからは若手芸人の結婚は企画にしないのかされないのか分からないけど、そういう笑いは減っていくんだろうな。みんなおめでとうって泣きそうだし。

最近こんな感じ(4/15〜4/21)

4/15

テレ東×Netflix「恋のツキ」を見終わる。全員の気持ちを理解しようと思えるけど、その全てに異物感を感じる。自分が一番近くにいるのが渡辺大地の役だと思うと辛すぎる。見ている数日間はGalileo Galilei「恋の寿命」を聞いてた。連ドラ初主演の徳永えりが本当によかったし、渡辺大地と伊藤沙莉の二人もいてはずれなわけがない。

恋のツキ(1) (モーニングコミックス)

恋のツキ(1) (モーニングコミックス)

 

TBS×Paravi「新しい王様」がTverでついに完結した。シーズン2後半の方向転換は肩透かしだったけど、ネットとテレビの答えは現実でもできていないから仕方ないか。Paraviスタッフのテレビへの怨念が籠っている。という友達の意見には納得だけど、どうかメディアへの祈りが籠っていてくれますようにとも思う。着地点はやっぱり怨念寄りなんだけど。どっちにしろシーズン1の面白さは前クールドラマで群を抜いていた。

武田玲奈とおじさんが洋楽の歌詞をひたすら和訳する番組がTOKYO FMでやっていた。彼女のタ行とナ行は独特で、3年以上ラジオをしてるなんて知らなかった。五週連続エドシーランを訳していた。

 

4/16

「春子さん、悩むと観葉植物に話しかける癖があるんだ」

青葉家のテーブル第四話「春子のユウウツ」更新。脇に抱えるペットボトルの大きさで描写するところとか、納豆プルコギの語感とか、松本さんらしさにホッとする。初の挿入歌を担当するGirlish Sportsというバンドが小田朋美・西田修大・石若駿によるものでこれも最高。inliving見てる人はみんなこれを見ればいいのに。

 

4/17

「芸能人不倫デーを作ればいいんですよ」

文芸春秋松本人志×林真理子対談記事を読んだ。同じことを1984年に野田秀樹が「人類への胃酸」で書いていたから、日本人と不倫の距離感は30年以上変わらないんだなあと思う。野田秀樹の提案した不倫デーのタイムテーブルは、一番最後はもう男の子とやっちゃうってものだったけど。二人の対談記事は大して面白くなかった。

ついに面接前の飲酒に手を出す。ビールはさすがにダメだろと考えた挙句の発泡酒ってところがいよいよだ。大学から駅まで金麦を片手に歩いていたら、前からタピオカ片手に手をつないで大学に向かうカップルとすれ違った。真逆の時間を過ごしている彼らと自分を比較する恥ずかしさより、黄色いセーターと青いズボンという金麦カラーファッションでいることの方が恥ずかしくなった。これは多分限界だ。

 

4/18

「好きな人の一生を幸せにする覚悟が生まれるのに10年もかかってしまいました」

春日がプロポーズした。その事実だけで尊い。“狙ってる女”を6年越しに仕留めた。と思ったら実は11年守り切っていた、というところで泣いてしまう。正しい人なんだ。春日は。往年の箱から出るドッキリの新しいパターンを若林がやっていた。みんな思ってることではあると思うけど、モニタリングでやったことだけは腑に落ちない。

佐久間さんのANN・劇団ひとりゲスト回。テレビや芸人の能力とかスタンスとか工夫とかを楽しそうに話す二人がよかった。今ゴッドタンでアツいのは「「ジャンポケおたけ」」とハモるところとか最高。団体芸サミットのときに設楽さんとひとりが若林はデキる奴だと確信したというから見直してみた。パーケンがいた!

「劇場版仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」を見る。ファイズってなんでこんなに面白いんだ。X-MENが描くテーマと共通する物語。ストーリーのない勧善懲悪なんて面白くないって子供に伝えてくれたヒーローは、劇場版では完全に別の世界線の話。当時の子供にどう映ったんだろう。ナンバーガール落選。

 

4/19

「ただ彼を発見した喜びがあった。そして、彼に発見された喜びが確かにあったのだ。新見先生といると、季節が始まる感じがするのだ」

山戸結希『おとぎ話みたい』がツタヤ池袋ロサ店にあった。音楽が鳴っていて、少女がダンスで表現をして、モノローグを多用する演出は「離ればなれの花々へ」と共通していた。音と言葉と身体の三つをこれだけうまく使うと、描写の幅以上に映画体験そのものを変えてしまう力になるのでは。少女の持つパワーに当てられる大人も残酷だけど、それを理解した上で進むしかない少女も残酷だ。先生は室内の暗い部屋にいるままだけど、彼女に屋上を勧めてくれたのも先生だと思うと切なくなった。

引退したサークルの新歓飲み会にOBが顔を出すやつに行く。自分が新歓していた時の気持ちが全く思い出せなかったし、自分が一年生のときにOBがやってくる流れを全く楽しめなかったので難しかった。上着がない。二枚も。イヤホンも。

 

4/20

「とりわけ最も効率がいいのは、第二次性徴期の少女の、希望と絶望の相転移だ」

魔法少女まどかマギカ」2011年の作品をここまで放置しておいたことを後悔するくらい面白かった。シャフトだとも知らなくて、一話の頭から化物語のやつ!と興奮した。てっきり複数クールやっているのかと思いきや、12話と劇場版一作で完結なのもいい。戦う理由も、少女じゃなきゃダメな理由も、願いの背景も全部説明されている丁寧さがあるし、セリフも無駄がない。たまに訪れるなんでもない場面で薄く聞こえてくるセリフもアツい。「たしかに、出産適齢期というのは医学的根拠に基づくものですが、そこからの逆算で婚期を見積もることは大きな間違いなんですね。つまり、30歳を超えた女性にも恋愛結婚をするチャンスがあるのは当然のことですから、従って、ここは過去完了形ではなく、現在進行形を使うのが正しいのです」"男運が悪い"という説明が一度されたっきりの先生による英語の授業中の言葉。野田秀樹の芝居に出てきてもおかしくないくらいじゃないか。大量の椅子がよく出てきた。あれの意味が知りたい。

 

4/21

「鏡に映らない景色を聞いた僕らはもういない」

阿佐ヶ谷voidで君島大空のライブを見た。akira muracco個展のクロージングパーティということで、弾き語り1時間。最後の3曲はuamiがゲストで出てきて、最近SoundCloudにあげた曲とフィッシュマンズを歌った。本編では遠視のコントラルト、夜を抜けて、向こう髪、細野晴臣終わりの季節も聴けた。地声と裏声の境が曖昧なくらい繊細な歌で、選挙カーが走らない日でよかったと感謝した。久しぶりに歌が震える空間にいる幸せを感じた。後ろに座っていたのは高井息吹だったと思う。

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就活の筆記試験。異様に眠かった。糸が切れてしまった感じがする。護国寺から早稲田まで歩くと汗が出てくるくらいには暑くて、こういう空気になるともう緊張を張りつめておくことさえできないんだなと納得した。小さいコインランドリーの軒下に灰皿を見つけた。飛鳥ちゃんの「潮騒」は幻冬舎

 

最近こんな感じ(4/8〜4/14)

4/8

授業が始まった。就活とは別の生活を思い出す場所にしたかったのに、三限が三年生に向けた就活指南の授業だった。夏休みは最低2,3社インターンに行けよというアドバイスに降伏。

「ひねくれ3」思ったより“ひねくれ”を感じなかったし、ゴッドタンの「腐れ芸人企画」に比べると刺激も薄いように感じたけど、この番組の“ひねくれ”は単なるラベルだと理解した。時代の最先端で新しい価値観を提唱する若者(初回ゲストが箕輪厚介)を紹介するためには、古い価値観に生きる上の世代へのマウントを感じさせず、いかにオブラートに包むかを考えないといけない。つまりここでいう“ひねくれ”とは「僕ら“ひねくれ”てるんですよ、だからうさん臭さいとか拒否したいとか思わないでね」という免罪符的なコピーなんだろう。でも、まどろっこしい手間を挟んだとしてもゲストの生き方やメッセージを伝える正攻法としてはこっちで、その視点が最近のテレビには圧倒的に少ない。これが坂上忍MCの番組だったら「反対する人いなかったの?」「なんでそんなことしようと思ったの?」という角度になると思う。それに対して山ちゃんは「その思考は後発でも身につくものですか?」「僕らはあなたにどう見えますか?」と掘り下げたうえで「僕たちすっかり牙を抜かれちゃってる」と笑いで布石も打っている。昼のラジオパーソナリティーが展開するトークに近かった。にしても「ひねくれ3」「松之丞カレンの反省だ!」佐久間さんから盗んでいる感がすごい。

 

4/9

未完成映画予告編大賞にエントリーされた「実りゆく長野」にまんじゅう大帝国竹内が主演していた。というかタイタンのマネージャーが監督ってなんだそれ。竹内は吃音の主人公を演じていて、そういえばフリクションの宣伝ムービーでもまんじゅう大帝国はしっかりした演技の仕事をしていた。アルピーが世に出したインパクトで“巻き物”に並ぶものは“まんじゅう大帝国”になるだろう。

 

4/10

uami×君島大空の曲が素晴らしすぎる。実家暮らしの貧乏人が最初に止められるインフラはAppleMusicだ。

本城雅人「友を待つ」週刊誌記者がスクープを追いかける長編。バディ物で子弟物は好物だし面白いのだけど、やっぱり最近の趣味ではなかった。

集英社推しの「さよならミニスカート」「青のフラッグ」をジャンプ+で読んだら、「青のフラッグ」に衝撃を受けた。高校三年生の男女四人組を中心にした学園物なのだけど、軸になる恋愛の矢印が示す方向は今までの少年漫画で見たことがない。夏祭りの花火が打ちあがるシーンなんて使い古されたシチュエーションも、セリフ無しの人物アップだけでこの物語が仕掛ける新しい儚さや苦しみが一目瞭然になる。しかも、話の核である“事実”が明言されるのは単行本では5巻あたりなので、言い出せないもどかしさを読者もたっぷり共有することになる。第32話は神回だった。学園物を俯瞰できてもおかしくない年齢なのに、それが全くできないから読んでいて良く分からなくなる。

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)

 

Aマッソ加納YouTube新企画「ボケの壁」はすっかりお笑いを消費している私たちに対する“壁”でもある。司会に徹するMCが存在する番組と、評価軸を発信するMCが存在する番組では視聴者の視点は大きく異なる感覚を思い出して欲しい。「エンタの神様」「ENGEIグランドスラム」「日曜チャップリン」を見るときの気持ちと、「IPPONグランプリ」「座王」を見るときの気持ちは違うはずだ。後者は“笑いを評価”する目で、賞レースを見るときと同じように「それはフリが弱い」「そのボケは重ねすぎて寒い」などと頭の中で突っ込みながら見ているはずだ。つまり、その場で最もお笑いの実力が高い存在の視点に自分の視点を重ねて見ているわけで、その時は自分を松本やジュニアだと錯覚して楽しんでいるのだ。「その間は自分にはできない」「今のフレーズどうやって考えたんだろう」のように、芸人と自分の実力を比較しながらお笑いを見る人は少ないだろう。(関西で生きている人はこの目線で見ていそうだから恐ろしい)前回の「面接官 加納」に続く今回の「ボケの壁」でも、Aマッソ加納は“素人”をこの錯覚から覚まさせにかかっている。お笑い好きしか見ないようなYouTubeチャンネルとはいえ、一発目からこの企画をやるのはエグい。「どんなにつまらなくても絶対にツッコんであげる」とは言うものの「とにかくボケてくれ」と集めた素人に言い放つ番組を、普段“ジュニアの威を借る視聴者”である私たちはどっちの立場で見れるだろう。

 

4/11

今週の朝はどの番組も皇室特集。60年以上前に今上天皇がテニサーで活躍する姿を見てから出かける。面接終わりのエレベーターでミキと乗り合わせた。亜生細いと思ってたけど全然厚かった。授業は大変眠くて「ものするひと」二巻を読んで寝る。たほいや、したいな。

 

4/12(金)

光ヶ丘図書館に行く。雑誌が充実しているけど通い詰めるには地味に遠いのが難点で、団地と光ヶ丘公園を通り抜けると薄暗い建物にたどり着く。夜の公園より、とにかく人がたくさん生活してる団地の空気の方が怖い。君島大空「午後の反射光」をちょうど聞き終わるくらいの散歩は、ギターを背負った中学生や、放課後の小学生、缶チューハイで乾杯するトレンチ姉さん、いろんな人とすれ違う。

あさイチケンコバが代理MCで出ているのを見かけて、久しぶりにTENGA茶屋を3回分聞いた。大学入学当初から聞いていた番組は何も変わらないままで、“ガリ巨乳”にこだわっていた松浦さんがいい加減パートナーを見つけたいと熟女キャバクラに通いだした程度の変化しかなさそうだった。アインシュタインアメトーーク!に出ていたのを見逃したのは悔しい。

「テレビ千鳥」の“ゴチをやります”は爆笑した。ゴチのパロディで面白いものを作れるのはノブが本家“ゴチ”のレギュラーになったから。(今のゴチメンバーは過去最強、盤石な布陣だと思う)「食べるときのカメラは正面3の後ろナメ1」「ノブ越しの太鳳を撮る角度はこう」などノブの指示通りにやって「この画見たことある!」と興奮する大悟とテレ朝クルーたち。「全部のくだりで一回は太鳳ちゃんに質問しろってスタッフに言われている」「祈るブロックはだいぶ長め。一分半くらい撮る」という裏側も隣に大悟がいるから面白い。キングちゃん復活も期待したいけど、テレビ千鳥の継続を最優先に願う。大悟が地上波バラエティで煙草を吸うシーンがカットされないことすら嬉しい。

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“DreamエンタメRadio”こと「佐久間宣行のオールナイトニッポンゼロ」を聴く。番組が決まった報告を仲のいい芸人に報告して回り、みんなから祝福や応援の言葉を貰うなかオードリー春日には「一人でやるの大変すよ」とだけ言われた。というのがいい。アルピーの残党らしきリスナーメールや、有名はがき職人からの投稿に喜んでしまうあたりはハライチのターン初回の澤部に似ている。気合いの入った企画に“選手権”とつけるのはTVチャンピオン出身だかららしい。「芸人マジ芝居選手権」楽しみだなあ。

山田ルイ53世一発屋芸人列伝」読む。“消えた”一発屋芸人の現在のインタビューをもとに、彼らの生きざまや再生を願う本が雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞した。

「ジョイマンは、これまで字面やエピソードトークだけで平面的だった自虐ネタの裾野を、ネットの世界にまで広げ、“立体的に自虐してみせた”」

「世間で“エンタっぽい”と評される元凶は「ネタ振りをする」→「自らツッコむ」→「各々のコスプレキャラに相応しい、流行りそうなフレーズを絶叫」を生み出した波田陽区

二丁目のオネエ様が披露するそれと同じくらい、一発屋業界の比喩フレーズや切り口は独自の進化を遂げていて面白い。特にムーディ勝山と天津木村の「バスジャック事件」は最高だった。決して日の目を浴びない芸能界の深層で起きた事件のルポは、人生の再生をかけた芸人同士のぶつかりあいそのもので、この一篇で雑誌ジャーナリズム賞を受賞したと言っていい。ただ「ツイッターはまさしく“幸せの青い鳥”だった」「矢口真里の写真集『ラブハロ!』は、今では“クローゼット”の奥深くで眠っている」のようなクサい部分も多くて結構引っかかる。水道橋博士「藝人春秋」を超えることはなかった。(三又又三の章が好き)

一発屋芸人列伝

一発屋芸人列伝

 
藝人春秋 (文春文庫)

藝人春秋 (文春文庫)

 

4/13

新宿で再上映していた「二十一世紀の女の子」を見に行く。“自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること”をテーマに15名の監督による8分以内作品のオムニバス。15名全員が女性であることで不必要な女性らしさを排除しているように思う。「女の子が自殺する物語は(男が作った)幻想」と言い放つ「muse」で始まり「女の子は子供を産むまでは子供でいいとかタイムリミットを決められるのは死んでも嫌だ。その代わり夢の責任は自分でとれってこと」という宣言も含む「離ればなれの花々へ」で終わる。聞き取れたセリフの一部を切り抜いて分かった気になっているようで怖い。正直15本もあると一度じゃ全然追いつけなかった。角度が多い分“見た人の世界を変えてしまう映画になる”という言葉にはうなずける。(橋本愛インタビューより)「恋愛乾燥剤」「I wanna be your cat」「愛はどこにもいかない」「セフレとセックスレス」「Reborn」が好き、と絞ったつもりでも三分の一になってしまう。「Out of fassion」だけは“ジェンダーの揺らぎ”以上に、才能と将来を天秤にかける気持ちとか、才能のある人に対峙したときの何者でもない自分を意識する切なさとかを感じて「私はあなたの瞳の林檎」収録「ほにゃららサラダ」を読んだ時の気持ちとダブって別の気持ちになった。これは、ジェンダーという角度が持つ作品性だけを特筆する作品はいつか時代遅れのものになるということなんじゃないかとも思う。いや、やっぱり分からない。本作で中心となった山戸監督の「おとぎ話みたい」を見ようと思った。

 

4/14

「にけつッ」で通称“お笑い第七世代”のことを話していた。霜降り明星粗品がR-1決勝後のGYAO特別番組で「せいやに会いたい」と言っていたのが俺らの世代からしたら分からん。というケンコバとジュニア。あの世代は「頑張れ」って同期間で普通に言うもんな、照れていいことは一つもないけどなあ、俺らにはできんなあ、と。NSC卒業ライブでMCを務めた山ちゃんも不毛な議論で同じようなことを言っていたし、逆にカジサックは今の若いノリに合わせたことをやっているんだと思う。そしてそれがなんか気持ち悪いと思うのは、今まで"照れ"の笑いしか知らないからだとも。テレビの影響力すごい。

芸人マジ芝居選手権、面白かった。“短大出身芸人”ダイアン西澤・安田大サーカスクロちゃん・ジャンポケ斉藤(new)

 



最近こんな感じ(4/1〜4/7)

4/1

元号が発表されてから家を出た。バンプのアルバム名になり、スターウォーズの主人公の名前になり、今度は元号にも使われた「レイ」ブーム。青い鳥文庫「パスワードシリーズ」に出てきた野沢レイが一番好きだった。東村アキコママはテンパリスト」「かくかくしかじか」を読む。アトロクで初めて聞いたお喋りがなんか好きだった。親戚にいて欲しいタイプ。浦沢直樹が漫画家の仕事場を見る番組の東村アキコ回も見た。

地元の喫茶店でESをでっち上げながら、選考途中二社が次のステップに進んだ連絡を受け、挙句一社から電話がかかってきて幸先がいい新年度になった。令和ブームでエイプリルフールが霞んだと思う。四月一日といえば「XXXHOLiC」のワタヌキを思い出す。週刊新潮の先週号でワタヌキ、ホネヌキ、イキヌキ、ガスヌキとか変に韻を踏んだ記事があったけどあれはナンセンスな気がした。

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4/2

見城徹「読書という荒野」を夜中まで読んだ。地道な主人公が出てくる本が好きだと思っていたけど、あれは自己嫌悪を感じているからなのだと気づく。たしかに。言語に真面目に向き合う「ロゴスの市」の主人公なんて自分と程遠い。伯爵で塩谷武士「歪んだ波紋」を読む。誤報に対する責任、みたいなところから、フェイクニュースを創作する捻れた責任感まで話をつなげていく。長編の姿を現していく短編集は途中で手が止められない。今月から「ちくま」で藤田貴大の連載が始まるというが、書店の在庫はどこも切れている。ジュンク堂に入るも次の予定の時間を勘違いして慌てて引き返した。

渋谷BOOK LAB TOKYOで菊地成孔粋な夜電波第3巻発売記念イベント。髪をかきあげる仕草が自分と似ていて、でもその髪があまり元気なくて、いいなあ、おっさんだなあと思った。人がスマホを置くようになったら令和が始まると言っていたけどあまりピンとこない。千葉県の福島さんや夜電波と問わず語りを手がける戸波さんも来ていて、なんか楽しいなあと思った。その場で買った本にサインを頂く。常連の人とか音楽の現場にも足を運ぶ人たちは短い間で懸命にコミュニケーションを取っていたけど、そんなの無理。目を見てありがとうございますとしか言えなかった。が、大満足。テレビ千鳥を見て寝た。

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4/3

ENGEIグランドスラムで頭を強打した太田光復活のカーボーイを聴く。素直になった太田光は確かにゾッとする。桜、猫、電車。テレビでああいう事件が起きると、いろんなラジオがそれを扱うから楽しみが増える。就活何もしない2日目。戸山公園で花見。一時からビールとサワーとハイボールを飲んで、体を動かして、昼寝した。起きたら頭痛がひどいことになって帰る。この日までのESを諦めて帰って寝た。13時間寝た。


4/4

バファリンを飲んで出発。ES五社締め切りの修羅場を「新しい王様」「バナナスリー」「しくじり先生クロちゃん回」を見ながら進める。ラジオの新番組はしばらく手が出せなさそうだけど仕方ない。四月の問わず語りから笑い屋シゲフジがいなくなるらしい。ドイツ語が選外で焦る。東村アキコポッドキャストをやっていることを知る。イヤホンが断線した。暖かい夜に帰れる幸せを感じながら、今日は酒を我慢するか否かを考える。ESはあと三社残っている。昨日諦めたやつは当日消印有効だから出せた。明日はスーツを着る。


4/5

午前中に一つ面接を受けて、サンシャインのクアアイナででかいハンバーガーを食べる。子連れとカップルの間に座った就活生が一番綺麗に素早く食べきった誇らしさを胸に店を出る。赤坂真理ヴァイブレータ 」を読み切って、まだ2時。緊張してる?と聞かれたら、いいえ。こちらに向かうまでに乗った透明のエレベーターは怖かったですけど、、的なことを返そう、、とか無意識に面接について考える自分の中の声が辛い。声が溢れてくる描写は確かに、自分の話と思う人が多いのもわかる。声も、無線も、トラックの助手席で感じるのも、全て振動。「ヴ」の表記がなくなったら「バイブレータ」になるのかしら。

アクタージュ4巻を買った。"俺が演出家で、お前が女優だからだ"と巌が夜凪に伝えるシーン、あれなんで外の景色は光が消えているんだろう。死に向かっている描写をカンパネルラ視点で出すなら煌々としていてもいい気がするけど。まだ死んでないからか。わからん。気温が上がるにつれて自分の生命力が薄まっていくこの感じ。季節の変わり目の恒例。


4/6

面接の前に喫茶店の喫煙席に向かうことに抵抗がなくなった。朝が早いとなおさら。決戦は金曜日までにしてほしい。今あの曲を書くとしたら決戦は〇〇の部分は何になるんだろう。定時で帰らせていただきます。とかもうどストレート。

別のベローチェに三回入った。面接二つとテストセンターそれぞれの前に。人は一日三回以上喫茶店に入ると必ずオレンジジュースを頼むと思う。どうだろう、これ結構自信ある。空気階段の踊り場は定期的に神回がある。もぐらプロポーズ回、かたまり号泣回、今回の峯田回。そして神回が徐々に売れるエピソードとして積み重なっている気もする。売れるだろうな空気階段。名前もいい。今年のキングオブコントに岡野さんは全財産賭けるって言ってたな。アクタージュ五巻を買う。


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オカヤイヅミ「ものするひと」久しぶりに好きな漫画を見つけた。夜の駅から見えるビルに光る「けちようじ」という謎の言葉が引っかかる主人公。バーの仲間とのたほいやで出題して有耶無耶にされたりするけど、結局それは「カラオケ鳥獣戯画」のうちの五文字が書かれた窓の明かりが灯っていただけだった。最後のコマで「よ」の窓からヒロインが顔を出す。試し読みの一話が素晴らしくて買ってしまった。埼玉の爺ちゃんに顔を見せるために1時間同じ電車に揺られる。田舎って本当に無音だ。

乙川優三郎「25年後の読書」ようやく読み終わる。最高。奔放で艶っぽい時間からそれぞれの人生を歩んだ50代の男女が、作家と批評家というそれぞれの使命に人生を費やして、言葉や芸術によってかつての縁をずるずる引き延ばしていく様が続く。「人との別れを繰り返して残るのは頼りない自由であろう」この1行だけでもう。「セックス・エデュケーション」2話を見て寝る。元カノといい感じの男に突っかかった挙句、彼女の祖母の遺灰が入ったツボで相手の頭をかち割るアメリカ人高校生男子。パワフルすぎる。そこで「お婆ちゃん!!」と叫ばすのはコント。

ヴァイブレータ 新装版 (講談社文庫)
 
ものするひと 1 (ビームコミックス)

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アクタージュ act-age 4 (ジャンプコミックス)

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二十五年後の読書

二十五年後の読書

 

南無三

朝からソワソワしながら喫茶店へ。下の本屋に目当ての漫画がなかったせいでソワソワしながらコーヒーを飲むだけの時間が過ぎて、結局がっかりした。


高校生の時。実行委員会の役職メンバーに入るために同期の役員たちから面接のようなものを受けた。結構ストイックな自主性を持っていたせいで真夜中の公園で面接は行われて、いつもの友達に真剣に審査される変な緊張感があった。面接後の役員たちによる会議は夜通し行われて、結果待ちの間、学校の近くのコンビニ、公園、隣駅のロータリーと移動しながら朝までの長さを感じた記憶がある。翌朝、お互いにぐったりしながら教室で顔を合わせてから合格したとか云々を伝えられたとき、最初に思い出したことがある。

面接を受けた同輩は他にもいて、その中の一人と夜中の公園で顔を合わせた。お互いに変な緊張感と使命感を持っていたせいで連絡はしていなかったから偶然だったと思う。開口一番、そいつは失敗したと言った。こんなことを言ったけど、もっとこんなことを言った方が良かったかもしれない、みたいなことをそいつは続けたが、俺はもうこいつは絶対受からないと分かった。役員という責任感の塊で勝負をしようとしてる同輩の持っている概念と、それに合わせに行こうとしたそいつなりの理論は根本がずれていた。土台の違う思想にどれだけ言葉を積み上げても、方向のずれがどんどん明らかになるだけなんだなあ、とその残酷さに初めて気づいた夜だったと思う。そいつは役員には選ばれなかった。

あの日以来の面接を日々受けている。

蚊に食われる公園や、忌野清志郎が流れ続けるコンビニ、人がいなくならない恵比寿駅でただ待つしかなかったあれに比べると、家でくつろいで朝になったらスマホに結果が届くこっちの方が余程楽だ。でも、気の知れた友達が欲しがってる答えを当てるよりも当然、難しい。俺を落とすのは間違いだと言い切れないのも恥ずかしい。

面接が終わった瞬間にソワソワして、あれをこう言えば良かった、と思う奴は大抵ダメだと改めて思った。上手くいけば、相手が求めるベストアンサーに寄せることはできるかもしれないけど、そもそもがずれている可能性の方が高い。まあまあ進んだ選考が没になって、あの日の真っ暗な公園を思い出す。

 

結局、俺が委員会に入った祭りはこっち側が生んだゴタゴタのせいで中止になって、その件を大人気ない見当違いでまとめたご苦労さんな週刊誌の会社の面接が控えている。

母校で火事が起こったらしい。後輩なりの使命感が生んだ歪みみたいなものだと思う。

また載るのだろうか。

また一次面接からかよ。

ダルちゃん: 1 (1) (コミックス単行本)

ダルちゃん: 1 (1) (コミックス単行本)

 

 

『このマンガすごい!』がすごい!

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宝島社が毎年発行するムックとコラボした、昨年テレ東「ドラマ25」枠で放送された番組『このマンガがすごい!

週替わりのゲスト俳優自らが実写化したいマンガを選定し、ワンシーンを撮影するまでを追ったドキュメンタリードラマ。“テレ東らしさ”満載かつ、近年の「実写化問題」に対する別の視点が注目された点を考える。

 

1 カウンター

近年数多く公開される実写化作品は、原作ファンの動員を狙いすぎて、ファンによる評価が大きな指標になった。必然的に、役者に求められるのは再現度。髪の色、衣装の着こなしや話し方など、キャラ造形のクオリティが注目される以上、求められるのは芝居の中身よりも、キャラが“似合っているか”に尽きる。

一方『このマンガがすごい!』は俳優がどう演じるかのドキュメントだ。
俳優自身が作品を決定し、役作りのために独自のアプローチを行い、理想のテイクが取れるまで試行錯誤を重ねる姿が、番組の中心になる。
「実写化するキャラに寄せていくか」ではなく、「好きなものを演じるとしたら、どうアプローチして実写化するか」
現行の実写化プロセスとは逆だが、これが本来の形ではないかと考えさせられる。
作品に対するリスペクトが、クリアすべき基準として俳優自らを悩ませる。
「好き」に「挑戦」し「実験」する、役作りを行う俳優にカメラを向けた番組は見たことがない。単なる再現性の追求ではなく、演じることに対して真摯に向き合うと何が出来上がるか、という実験なのだ。商業的な視点を抜きにしたとき、俳優の持つ純粋な愛や意欲がどれほどのものかを知ることができる。

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蒼井優
しかし、そもそも俳優の役作りは、本来見せてはいけないウラ側のはずだ。俳優自身の考え方や役作りを晒し上げるという無粋な切り口でカメラを回すこの企画が成立している理由は1つ。蒼井優の存在だ。

彼女の、俳優に対する愛やリスペクトの“まなざし”によって、全て肯定されるのだ。

この番組唯一のレギュラーである彼女はナビゲーターと称され、
ゲストのマンガに対する想い・実写化作品の選出・役作り・撮影・鑑賞まで、随所でそれを見つめる。
『プロフェッショナル』や『情熱大陸』などの番組でこの企画はで成立しない。蒼井優がナレーション出演だったとしてもダメだ。俳優の挑戦を間近で見守り、リアクションをすることで、彼女のまなざしが視聴者まで伝わってくる。どの回も完成したVTRを眺める蒼井優の様子で終わるように、実写化そのものではなく、それに向き合う俳優の挑戦がメインにあることを、視聴者に意識させる存在なのだ。
彼女のそのまなざしの理由は、最終話(11,12話)で明かされる。これまでゲストの挑戦を見つめてきた彼女が、最後どのマンガを選び、どうアプローチするかを通し、番組のテーマともいえる「愛があるからこそ、実写化に自ら挑戦する」ことに、どう彼女が向き合ってきたかがわかる。

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3 パッケージ
ドキュメンタリードラマと謳うこの番組は、特に番組OP・EDがいい。
OPでは、アンジュルムの曲に合わせて蒼井優がワンシチュエーションでうろつく(?)毎週違うPV風の映像。Ear Podsを装着した現代性の演出が目立つ。(アンジュルムの起用は、ファンである蒼井優による指名であり、最終回では彼女がフリの完コピを披露している。本家PVも、番組OPで使用されたロケ地で撮影されるコラボがある)
EDも毎週違う。前野健太が、毎回のテーマや内容に合わせて新曲を書下ろしているのだ。
ノンフィクションの内容に、後からストーリーやテーマで枠組みを作ることで、ドラマ風にパッケージングする丁寧さが際立つ。

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満足のいく作品を作るためにはなにが大切か?
作り手のウラ側を見せることで、大切なことを届けてくれる番組だった。
完成した映像に、正解も評価もない。その理由は毎回OPの最初に歌われる。

「十人十色 好きなら問題ない!」