Laundry Land

いよいよ就活生。

中村佳穂 パラシュート

火星に音楽を送るってあったじゃないですか。
違ったっけ、あの、宇宙人宛の地球文化の幕の内弁当みたいなやつ。

そう。ボイジャーのゴールデンレコード。
1977年に打ち上げられた宇宙探査機に乗っかった円盤で、いろんな国の挨拶と音楽が載っているという。「これを拾ったそこの星のそこのあなた。君だけに我が惑星の音をお届けするよ」みたいな、東京FMもびっくり深夜のウィスパーボイスレディオ盤。
ベートーベンとチャックベリーが同じレコードに入ってるそいつに、なんと日本からも一曲お届けしています。そう「鶴の巣籠り」知ってる?知らないでしょう、当時の日本人も全く知らなかったんだって。なんでこれ?ってさ、当時NASAに勤めてた日本人職員がうち(日本)はコレでって勝手に好きな曲入れたらしいよ。
そんな簡単に個人が決めれるもんかね、ロマンだね。まだその曲、宇宙漂ってんだよ、海王星より遠くで。いや、ロマンかよ。


MUSIC FROM THE MARS を見に行きました。ボーカルの方をよくバイト先でお見かけするのもあってか、久しぶりに見たいなあと思っていたんですが。一番素敵なバンド名だと思ってます。
TAMTAM、ものんくる、吉田ヨウヘイgroup、henrytennis、東京塩麹など。
見たいバンドしか出ない、そんなイベントがまた巡ってきました。
渋谷のWWWって不思議なところですよね。
もともと映画館だった名残のあるフロアで、音も良くて、天井が高い。そして、ちゃんと地下にある。
ライブハウスって絶対地下にあるべきだと思うんですよ。クラブはビルの三階とかにあるべきだと思う。バイトの先輩が言ってたんですけど「てめえ、道路でごちゃごちゃうるせえな、ライブハウスに蹴り落とすぞ」って。これ最高の脅し文句じゃないですか?本望だよ、っていう。

地下に降りれば、今日も音楽が鳴っていて、歌が回っている。


青山月見ル君想フも好きな箱で。
入り組んだところの地下に降りていくとでっかい月がある、あそこです。

音楽がそこにあること。
6年前、絵を描いていた私は急に歌を歌いたくなったのです。
その時はまだビートルズが生きていると思っていたし、「ブギーバッグ」の人たちは死んでると思ってたし、テレビで歌を歌う人が音楽のすべてで、地下のライブハウスの音楽がこんなに素晴らしいだなんて、名もなき音楽家の演奏がこんなに素晴らしいだなんて。あの時、私は全く知らなかったのです。
京都から来ました、中村佳穂です」

この日は中村佳穂とあっぱの対バン。

即興で歌い上げる前口上。
一呼吸目からあっぱ目当ての客も掴まれていくのがわかる。前も後ろもない、ぐるりと囲むパラシュートの下では平等に歌が届く。喋りも、呼吸も、笑い声も、全てが音楽になる力。

そう、パラシュート。
その日は月見ル名物企画のパラシュートセッション。

天井に貼られたパラシュートの下で、2組が交互に一曲ずつ演奏するライブ。
フロアでバンドセットが向かい合っていて、ステージを含めてぐるりとお客さんがそれを囲む。一対一タイマン勝負のリング、もしくはグルーヴを生み出す真空管

音源通りであること、アドリブであること
芸術であること、スポーツであること
科学的であること、遊戯的であること
閉鎖的であり、日常的である
音楽に親しみを感じる人が、どうそれに触れて来たのかはそれぞれ。

ただ、そこに音楽があるということ。
それに対する喜びみたいなものを、感じました。何度目か。でも、ふと思う時がある。当たり前になってきたその感覚。

ライブハウスに行くこと、がやっと自然なことになって来たんだと思いました。

相手の歌詞、ビート、メロディーを即興で取り込む、素晴らしき音楽家の力。
歌と音楽を楽しむこと。演者も客も、パラシュートの下では平等。
このパラシュートはどこかに着地するのか、それともしばらく宙を漂うのか。


今も宇宙を漂ってる金色のレコード。
どっかの星の宇宙人が、、そいつの周りに適当な仲間と缶ビールを買える店があるといいんだけど。楽しんでくれるといい。「鶴の巣籠り」の感想を聞かせてほしい。
土星の輪っかに針落としたらなんか音がなるんじゃねえか、なんつって。試してほしい。

この星には音楽がある。
自分の生活に音楽がある。
なんてことだ。

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最近火星に行きました。二回。総額50万ドル。
政治家生命を辞職に追い込まれ、我が家も全焼。嫁もいつの間にかいなくなって、借金まみれ。もうどうしようもねえや、って時に火星行き。
ツイてなかった。何をやってもダメだった、もうどうしようもなかったでも。

着陸の真っ白いパラシュートが開く。窓からの眺めに青い星が1つ。ああ、やっぱり地球は、、なんつって。

井の頭線の先の、真っ白い部屋で人生ゲームをしました。二回。
ルーレットを回し続けた。
レコードは回り続ける。

 

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全ては回り続ける。人も季節も気持ちも。
繰り返されるのはそう、諸行は無常。そう教えられました。
回る場所。
ランドリーランド。来年度も、どうぞよろしくお願いします。